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墨岡通信

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2008年09月03日

カテゴリー:院長より

見果てぬ夢の地平を透視するものへ-11-

ポール・ニザンを、まだ現在とは比較にならないほどのんびりとした、小さなバリケードの内側で横目で垣間見ていた1967年頃私はやはりどうしようもなく『歩行者の祈りの唄』が好きだった。

流れてなんかゆかない
こんりんざい あともどりなんかしない
垂直にたちて 今宵は
稚い抗のうたを唄う

  やがて夜がくるだろう
  夜はあやまりなく俺の瞳を潰すだろう

どうしろというのだ!知らない
僕は大人達にはきかない
その賢さによりて 心臆せる
大人達にはきかない

火のなかの石
石のなかの小さな自由

そんな一番大切なことを言うのに
多少の狂気と若さがいるのなら
そんな時一番大切なことを唄うのに
大きな澄んだ心と眼玉がいるのなら

  おれはきく
  死をみつめ
  きりつまった危機と愛とをみつめ
  何物にも代え難い
  若さを守る 青年達に
  おれはきく

 どうすればよいのだ (「微かな角笛に合せまずタローが唄う」)

(Ⅰ詩人論/山本太郎論つづく・・・)

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