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墨岡通信

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2021年09月30日

カテゴリー:院長より

見果てぬ夢の地平を透視するものへ-188

レインが、詩的表現における領域で提供している問題は、精神と状況とのはてしない壮大なドラマともいうべきものであって、その内実を、私のものとしていくことは実に困難なものであるとしても、それらは、私自身の詩の問題と離れ難く結ばれているのである。

表現の流通機構を、と私が考えつづけているのは、非権力的なというだけの問題ではない。

その場所が、すなわち個人の生き方の場所、状況の場所となり、そのような場所へ自己の<表現>を提出できるかどうか、そしてその事自体が、ゆるぎなく私個人の生き方を深く規定していく流通の場のことを、私は夢みているのである。
キングスレイ・ホールを、共同体を、とあらゆる安易と誤謬を覚悟した上で、私は表現のなかに呼びこまないではいられない。


(Ⅴ状況のなかの精神医学/詩と反精神医学と 完)

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