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墨岡通信

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2017年10月05日

カテゴリー:院長より

見果てぬ夢の地平を透視するものへ-150

4月27日。私達の“精神療法”は終わった。彼女は微笑しながら、一枚のレコードを私に贈ってくれた。チック・コリアの「リターン・ツウ・フォーエバー」

 彼女のおかれた状況は何一つかわっていない。私のおかれた状況もかわっていない。以前と同じように困難な壁に囲まれている。ただしかし、一つの意志、生き方に対するきわめて具体的な意志だけは確認できたと信じることができる。その意志はいまだ、<……をする意志>という形をとれない。<……だけはしない意志>という意志であるかも知れない。だが、私達の意志はまだ生まれたばかりなのだ。
「『しかし種は植えつけられた。……まずは若い世代の知的な営為者の中から仕事の意味の問いと生きがいの探究と人間関係の改革とが結びあわさった運動がうつぼつとわきおこってくるにちがいない。……永遠の過程の中で本質的であることによって現実的であり、同時に変革的である人間とその運動が勃興するはずなのである。』ほぼ4年前、この様に語り、その後、病に倒れた高橋和巳のことがふと胸を衝きあげてくる。<障害者>との日々の関わりが、私達の仕事の意味と人間関係の内実を既に明らかにしていると思うからだ。仕事から外化された生活、そして権力的な人間関係。」(渡辺良、さいか、あとりー・七月号後記。)

※「さいか・あとりー」は慶大精神神経科精神医療研究会の機関紙である。
  
(W私的表現考/表現の現象学 つづく・・・)

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